このブログについて


自己紹介

はじめまして。僕は、とある急性期病院の手術室で勤務している看護師です。毎日手術の介助をさせて頂いているため、僕が関わるのは手術を受ける患者さんがほとんどです。手術室看護師としての仕事は、大きくまとめると以下のようなことであると僕は考えています。
  • 手術を行う医師の介助を行い、手術を円滑に進めること
  • 手術を受ける患者さんの不安を軽減すること
  • 手術を受ける患者さんに適切な術中看護を提供し、合併症を最小限にすること
この中で、患者さんの不安を軽減するための一環として、手術の前に患者さんが入院するお部屋を訪問し、お話をさせて頂く「術前訪問」を行っております。お話をさせて頂いた内容から、手術のときにどのような看護を提供するのかを考え、患者さんにとって少しでも楽に手術が終わるよう努めています。

術前訪問の役割

  • 問診を行い、術中にどのような看護を行うかを考える(看護診断)
  • 患者さんが必要とする手術や麻酔に関する情報を提供する
  • 医師に聞きにくいことを気軽に聞いてもらう
術前訪問なんていらないとおっしゃられる患者さんもいらっしゃいます。その一方で、「話を聞いてもらえたおかげで手術に対して前向きに臨むことができた」とか、「先生に聞きたくても聞けなかったことがようやく聞けた」という方もいらっしゃいます。この術前訪問によって、少なからず不安が軽減できたという方はたくさんいらっしゃいます。

最近の医療の動向と手術看護

ところが最近になり、手術室看護師として術前訪問を行う時間を確保できなくなっています。主な原因は、急性期病院の入院期間の短縮と手術件数の増加です。手術前日に入院となる場合が多くなったことに加え、手術件数が増加したことで、患者さんのお部屋を訪問する時間がほとんどありません。

急性期病院の役割

僕が働いている急性期病院というのは、手術が必要かどうかに関わらず、何らかの病気の急性期にある患者さんの治療を行うための病院です。急性期というのは、簡単に言えば病気にかかったばかりの頃を指します。病気にかかったばかりの頃というのは、まだ体の中で何が起こっているのか、どのような病気なのかが分からない段階です。病気は、いかに早く適切な治療を行うかによって、その後の回復する過程が変わります。早く病気を治すためにも、検査などを行って病気を診断し、必要な治療を開始する必要があります。急性期病院の役割は、病気にかかった患者さんの病気を診断し、適切な治療を迅速に行うことです。
病気によっては長期的な入院が必要になったり、リハビリが必要になったりします。長期的な治療が必要であっても、急性期の治療を終えて症状が落ち着いた場合や、リハビリのみ必要な場合は、それに応じた役割を担う回復期の病院やリハビリ病院に転院して頂くというのが、今の医療の流れです。

急性期病院で働く看護師として、手術を受ける患者さんが必要とする情報を提供したい

 このような医療の流れの中で、手術室看護師が密に患者さんと関わることが難しくなってきていると感じています。手術室の中は、やはり閉鎖的な空間です。中で何が行われているのかがわかりづらい場所です。手術を受ける患者さんからすれば、それだけ不安を抱きやすい場所でもあります。だからこそ、このブログを通じて、患者さんが必要とする情報を提供していきたいと考えています。僕は看護師なので、病気を診断したり、医学的な内容をはっきりと断言できる立場ではありません。可能な範囲で、情報提供やご相談を受けたりしたいと思っております。

 




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